結局、巻き肩って何?
みなさんこんにちは。整体院まくまく院長の日高です。今回は整体院まくまくの結局シリーズ第3弾「結局、巻き肩って何?」というお話をします。結局シリーズ第1弾の反り腰と同じく、「巻き肩」という言葉の認知度が上がってきたとSNSや患者様との会話を通して感じています。本来は、巻き肩、肩甲骨の正しい位置、猫背、ストレートネックをまとめてお話したいのですがかなりのボリュームになってしまうのでそれぞれお話していきます(^^)
ざっくりいうと、上のイラストのような肩が前に出てきている姿勢を「巻き肩」といいます。
何が起きてるのかというと、
【肩甲骨の前傾】
が起きています。(※上腕骨頭が前方変位してるケースは今回は除きます)。
私達の日常は、パソコンやスマホなどかなり巻き肩を誘発する環境が整っており、その姿勢のまま、かたまってしまいます。巻き肩は様々な健康上のトラブルにつながると考えられています。
【肩の痛み】
肩甲骨が前傾している事で腕を上げるときに、通常よりも速く腕の骨が肩甲骨にぶつかります。この状態で生活をおくると肩に痛みが出ることがあります。
【TOS(胸郭出口症候群)】
胸郭出口症候群は、前斜角筋と中斜角筋の間、鎖骨と肋骨の間、小胸筋と肋骨の間の3つのポイントで神経絞扼(神経のしめつけ)が起こると言われており、それが肩甲骨前傾の状態で起こりやすいです。自覚症状としては、手を上げて作業している時(洗濯物を干してる、吊り革など)に腕の痺れや冷え感、重だるさを感じます。
【肩こり】
肩甲骨上角に付着している肩甲挙筋に負担がかかり、最も自覚している方が多い印象を受けます。
【胸郭の可動性低下】
小胸筋や前鋸筋等の肋骨に付着する筋肉がかたくなることで、胸郭全体の可動性が低下します。それにより、呼吸が浅くなる、ピンポイントの背部痛(肋椎関節)、腹圧低下(腰痛、便秘)のリスクが上がります。
【見栄えが悪くなる】
健康上のトラブルではないが、単純に姿勢が悪く見える。見た目が老けて見えやすいです。
といったような問題が、巻き肩(肩甲骨前傾)で予想されます。
巻き肩になったらどうするか?
巻き肩を予防するにはどうするか?
について、解説します。
巻き肩に限らず、猫背、反り腰など、姿勢不良は
【悪い姿勢に引っ張る筋肉+正しい姿勢に引っ張る筋肉の働き低下】
で起こります。ですので、戦略としては
①悪い姿勢に引っ張る硬い筋肉を柔らかくする
②正しい姿勢に引っ張る筋肉を働かせる
の二段階施術をする必要があります。予防の観点だと②の正しい姿勢に引っ張る筋肉を働かせるようなセルフエクササイズが有効だと考えています。では、巻き肩(肩甲骨前傾)ではどの筋肉にアプローチすればいいのかお話します。
【巻き肩(肩甲骨前傾)】の
①悪い姿勢に引っ張る筋肉
・小胸筋
・前鋸筋上束
②正しい姿勢に引っ張る筋肉
・僧帽筋下部繊維
・前鋸筋下束
です!(肩甲骨前傾に関わる筋肉は他にもありますが特に重要な筋肉を選択しました。)
小胸筋
小胸筋は身体の前面にありますが、肩甲骨の烏口突起と肋骨に付着しているため、肩甲骨を前に引っ張ってきます。つまり、肩甲骨前傾の因子になります。
前鋸筋
前鋸筋は肋骨から肩甲骨の裏側についてる筋肉で、肩甲骨と肋骨の動きに関わっています。前鋸筋の上側の束は肩甲骨を前傾させる他、肋骨を押さえつけることで腹圧にも関与しているといわれています。前鋸筋は呼吸筋としても知られており、上束は呼気筋として作用します。下束は吸気の際に働き、肩甲骨の後傾、上方回旋で働きます。ですので、巻き肩(肩甲骨前傾)に関しては前鋸筋の上束を緩め、下束を促通する必要があります。
僧帽筋下部線維
僧帽筋は肩の筋肉というイメージが強そうですが、実は下部線維はかなり下まで伸びており、肩甲骨を下制&上方回旋させる作用があります。なかなか意識し辛い筋肉なので働きが弱まりがちです。日頃から僧帽筋下部繊維を収縮させるエクササイズを行うことで、肩甲骨を良い位置に安定させることができます。
まとめ
巻き肩に対しての戦略としては
巻き肩方向に肩甲骨を引っ張る
【前鋸筋上束、小胸筋】
を緩め
肩甲骨を良い位置に安定させる
【前鋸筋下束、僧帽筋下部繊維】
を働かせるエクササイズをしましょう!